好酸球性副鼻腔炎の免疫療法(デュピクセント)|耳鼻咽喉科たかだ鼻クリニック大阪
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好酸球性副鼻腔炎治療(免疫療法)

好酸球性副鼻腔炎とは

好酸球性副鼻腔炎好酸球性副鼻腔炎は、両側の鼻に多くのポリープが形成される慢性の疾患です。この病気は、原因はまだわからないことが多いですが、白血球の一種である好酸球がポリープや鼻粘膜に関与しており、ステロイドによる治療が有効とされています。
治療後も再発しやすく、難治性であるため、日本の厚生労働省からは難病として指定されています。
アレルギー性鼻炎や喘息、好酸球性中耳炎と一緒に発症することがあり、NSAIDs系の鎮痛剤(ロキソニンなど)に対して過敏に反応することもあります。

免疫製剤注射(デュピクセント)

デュピクセント好酸球性副鼻腔炎の治療では、新しい生物学的治療薬(抗体製剤)である「デュピクセント」が用いられます。
この薬は、IL-4(インターロイキン4)とIL-13(インターロイキン13)というサイトカイン(体の中にいる、細胞同士の情報伝達に携わっているタンパク質)の作用を抑制することで、鼻や副鼻腔の炎症を抑えることができます。これにより、鼻茸が小さくなり、鼻詰まりや嗅覚障害(においが分からなくなる)といった症状が改善されるようになります。
デュピクセントを腹部、太もも、上腕外側に投与されることで、これらの効果を得ることができます。
ご自身で注射する際は、へそ周り以外の腹部や太ももに打ってください。へその周り5cmを外して注射するようにしましょう。

治療の対象となる方

  • 手術を受けたが、その後に鼻茸を伴った好酸球性副鼻腔炎が再発した場合

デュピクセントの効果と仕組み

鼻詰まりや鼻水、嗅覚障害などの鼻症状は、主に「炎症」によって引き起こされます。
この炎症には、免疫細胞が生成する物質であるIL-4(インターロイキン4)とIL-13(インターロイキン13)が深く関与しています。
デュピクセントは、IL-4とIL-13の作用を抑制することで、鼻や副鼻腔の炎症を抑えることができます。
炎症が抑えることで鼻茸が小さくなったり、鼻詰まりが解消されたりにおいを感じ取りやすくなったりします。
また、鼻水の症状も軽減されるようになります。

デメリットのデメリット・副作用

投与に注意が必要な方もいる

  • 寄生虫に感染している方
  • 生ワクチン接種を受ける予定が入っている方
  • 妊娠している可能性のある方、現在授乳している方
  • 高齢者
  • 喘息および他のアレルギー性疾患を抱えている方

副作用が起こることがある

注射部位反応

注射を行った後は、注射部位が痛くなったり赤くなったり、腫れたりします。また、かゆみや出血などの反応が起こることもあります。

アナフィラキシー反応

アナフィラキシー反応として、めまいや呼吸困難、喘鳴(ぜいめい)、発疹、蕁麻疹、唇の腫れ、腹痛、嘔吐などの症状が現れることがあります。

好酸球増加の症状

好酸球が増加することで、咳や発熱、倦怠感、呼吸困難、喘鳴、血痰(けったん)、動悸、発疹、しびれなどが生じることもあります。

治療のスケジュール

治療のスケジュールデュピクセントは、2週間ごとに1本を皮下に投与することが推奨されています。
初回の投与と2回目の投与は医療機関内で行われますが、3回目以降につきましては院外で処方されます。そこからは、患者様ご自身がご自宅内で、自己注射していただく流れとなります。
なお、デュピクセントを投与する前から受けていた治療は勝手に中断しないでください。
他に受けられている治療がありましたら医師に相談していただき、指示(薬の調整・中止など)に従って治療を開始することを推奨します。

費用

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