鼻中隔湾曲症の症状
鼻中隔湾曲症は、鼻中隔の歪みによって片側の鼻腔が狭くなり、慢性的な鼻詰まりを引き起こす病気です。鼻腔が狭くなったり鼻詰まりになったりするため、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
- 口呼吸が増える
- いびきが増えて睡眠不足に悩む
- 頭痛が頻発する
- 嗅覚が下がる
- 鼻腔内の粘膜が敏感になり、鼻血(鼻出血)が出やすくなる
また、鼻詰まりが持続することで鼻粘膜の炎症が起こりやすくなり、副鼻腔炎などの病気を引き起こすこともあります。
鼻中隔湾曲症とは
鼻中隔とは、鼻中隔は鼻の真ん中にある軟骨と骨でできた、左右を分ける仕切りの壁です
健康な方でも多少曲がっていることはありますが、曲がりがひどくて鼻詰まりや鼻水の流れを悪化させている場合は、治療が必要です。
強い曲がりがあっても鼻詰まりを感じない方もいますが、重要なのは空気が鼻を「ゆっくり」「まっすぐに」「十分に」通過することです。これが呼吸の質に繋がります。
鼻中隔湾曲症の原因
鼻中隔は、成長期において身体の他の部分と共に大きくなる軟骨と骨から成り立っています。
軟骨が他の骨よりも速く成長するため、他の骨が追いつくまでの間に湾曲することがあります。
また、鼻への打撲や骨折などの外傷によって鼻中隔が曲がることもあります。このような外傷による影響も、鼻中隔湾曲症の一因となり得ます。
鼻中隔湾曲症の検査(確かめ方)
鼻中隔の視診や内視鏡検査、CT検査を行うこともあります。また、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など他の疾患がないかもチェックします。
自力で治すことはできる?
治療方法
骨と軟骨の形状のバランスに問題があることで発症するため、自然に改善することはなく、重度の場合手術でないと完治は見込めません。
鼻中隔矯正術
内視鏡を用いて湾曲した部分の鼻中隔の軟骨もしくは骨を切除し、できるだけ直線的になるように修正し鼻詰まりを改善する手術です。
慢性副鼻腔炎がある場合、その治療も併せて行われることがあります。手術後には、パッキング材料で軟骨を支えながら粘膜の回復を促します。
なお、この手術は基本的には成人に適応とされており、顔面の骨格が成熟していない未成年の方にはあまりおすすめしません。
粘膜下下鼻甲介骨切除術
鼻中隔の外側に位置する下鼻甲介の慢性炎症によって肥厚した骨による鼻詰まりを改善するために、下鼻甲介骨を切除して鼻の通りをよくする方法です。鼻中隔矯正術と合わせて行うことが多いです。
よくあるご質問
鼻中隔が曲がるのはなぜですか?
人体の成長に伴い、鼻中隔を構成する骨と軟骨も同じように成長します。軟骨の成長は骨と比べて活発であるため、結果として、軟骨が湾曲する傾向にあるのです。
鼻の見た目はまっすぐなのに、症状があります
外見上に問題がなくても、鼻中隔が歪んでいるケースもあります。症状が出ていない場合、治療する必要はありませんが、鼻詰まりなどの問題がある場合は、見た目の問題がなくても耳鼻科へ相談しましょう。耳鼻科では、鼻鏡や内視鏡を使用した視診で、鼻中隔の歪みをすぐに診断できます。
手術が必要になる鼻中隔湾曲症はどのような症状ですか?
鼻詰まりが長引くと、その状態に慣れてしまうこともあります。いびきや睡眠時無呼吸、頻繁な鼻出血、鼻の奥の痛み、花粉症にかかっていないのにもかかわらずアレルギー反応のような鼻水が出るなど、他の症状が現れることも珍しくありません。 鼻中隔の湾曲によって呼吸に支障をきたしている場合は、症状の程度に関係なく、手術治療を受けることをお勧めします。実際、手術後に「鼻詰まりが起きていたこと」に気づく方も多いです。